親愛なる大統領閣下 2018年12月20日
私はわが国の第26代国防長官を奉ずる栄誉に浴し、わが国の国民と理想を守るべく国防総省の男女の諸君と共に職責を果たしてまいりました。
過去2年間、わが国の国家防衛戦略における重要な目標のいくつかにおいて進展を遂げることができたことを誇りに思っております。それらは、省の予算の健全化、わが軍の即応性と攻撃力の向上、より優れた能力のための我が省の実務の改革です。わが軍は、戦闘に勝利し合衆国の強力な世界的影響力を支援するために必要とされる能力を継続して提供しています。
私が常に抱いてきた我国の核心的信念は、我々の国家としての力はわが国の比類なきかつ包括的な同盟と相互関係のシステムの力と密接につながっているというものです。アメリカ合衆国は依然として自由世界にとってなくてはならない国でありますが、それら諸国との強力な同盟関係の維持と(同盟国に)敬意を払うことなくしてはわが国の利益を守りその役割を効果的に果たすことができません。
大統領閣下同様、私も当初からアメリカ合衆国の軍隊は世界の警察であるべきではないと申してまいりました。むしろ、同盟国と共同防衛のために、アメリカ軍は効果的な指導力を含むわが国の力を、あらゆる手段を通じて投入すべきであり、NATOの29カ国の民主主義国家は9.11に続くわが軍と共にした戦闘行動で見事にそれを実証しました。ISIS(イスラム国)を倒すための74カ国連合もさらなる証左です。
同様にわが国との戦略的利害が緊張を増大する国々に対してわれわれは断固とした、曖昧さのない姿勢を取らなければなりません。
例えば、中国とロシアが、近隣諸国、アメリカとその同盟国を犠牲にしても自国の利益を追求しようとする彼らの独裁主義的な国家モデルと同類の世界を―他国の経済、外交、安全保障の決定に対する拒否権を得ることで-形成することを望んでいることは明らかです。
だからこそ共同防衛のためにアメリカ軍の有するあらゆる手段を用いなければならないのです。
同盟国に敬意をもって接すること、また悪意ある国家、戦略的に競合する国家にたいして冷徹な眼を持つという私の考え方はこれらの問題に40年以上関わってきたことから強く実感させられ学んできた事柄です。
私たちは、安全、繁栄、そして価値観に最も資する国際秩序を前進させるために、可能な限りの努力をしなければなりません。そして、私たちは同盟国の連帯によるこの努力によって強くなるのです。
これらの問題、また他の問題に関して、閣下の見解とより一致する見解を有する国防長官を持つ権利を閣下はお持ちなので、私は現在の職を辞任するのが正しいと信じます。
私の任期は2019年2月28日に終了します。これは後任者が推薦され承認されるのに十分な時間を与え、また、2月の議会の公聴会やNATO国防大臣会議を含む今後のプロセスにおいて省益が適切に連結され保護されることと思われます。
さらに、新国防長官への全面的な移行が(来年)9月の統合参謀本部議長の交代のかなり前におこなわれることで国防総省内の安定性を確保すると信じます。
215万人の米国軍人と732,079人の文民に対して国防総省はいささかの動揺もなく常に気を配り、その必要と利益を確保し、アメリカ国民を守るという彼らの重要な24時間体制の使命を果たすことができるよう、円滑な移行のために私は全力を尽くします。
この国とこの国の兵士諸君のために仕事をする機会を与えてくださったことに深く感謝申し上げます。
ジェームズ・N・マティス
翻訳:Harry
マティスさんが辞任した理由が
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